平成24年度 論文

水環境科(安全科学担当)

水酸化ポリ塩化ビフェニル

羽賀 雄紀,鈴木 元治,鶴川 正寛,松村 千里

化学物質と環境 平成23年度 化学物質分析法開発調査報告書(環境省), 2012, p438-503

大気中の水酸化ポリ塩化ビフェニル(別名:水酸化PCB)の分析方法を開発した.水酸化ポリ塩化ビフェニルの検量線は,0.50 ~ 50 ng/mL濃度範囲でR2 > 0.991であり,良好な直線性が得られた.また,本法による1~7塩素体のMDLは0.062 ~ 0.18 pg/m3、MQLは0.10 ~ 0.46 pg/m3であった.大気を用いた添加回収試験(添加量3 ng)は,回収率が50%以下であった7異性体を除くと60% ~ 110%の範囲であり,サロゲート物質の回収率は58% ~ 125%であった.環境大気試料からは主にモノ塩素化体(OH-MoCBs)が0.1 pg/m3オーダーで検出された.

Investigation of environmental contamination of monoisopropylnaphthalene, Diisopropylnaphthalene and triisopropylnaphthalene in Hyogo in Japan

Motoharu Suzuki, Chisato Matsumura, Takeshi Nakano, and Hiromasa Imaishi

Environmental Science and Pollution Research, 19(9), p3959-3968 (2012)

 PCB代替品であるジイソプロピルナフタレン(DIPN)は,難分解性かつ高蓄積性であることから,環境への影響が懸念されている.環境中のDIPNの分析方法を確立し,DIPNとその同族体であるイソプロピルナフタレン(IPN)及びトリイソプロピルナフタレン(TIPN)の兵庫県内の環境調査を実施してきたので,結果を報告する.

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