水環境科(安全科学担当)

Development of LC-DA-APPI-MS/MS method for determination of nitrated polycyclic aromatic hydrocarbons and its diurnal variations during transboundary air pollution events

Asakawa, D, Tojo, T, Ichihara, M, Matsumura, C, Hasegawa, H, Miyawaki, T, Nishino, T

Organohalogen Compounds, Vol. 80, 45-48 (2018)

 ドーパント(イオン化を促進させる(感度を高くする)ための添加物、ここではトルエン等)存在下、大気圧光イオン化タンデム質量分析(LC-DA-APPI-MS/MS)を用いた大気試料中NPAHの定量方法を開発した。 ジニトロピレンの測定で、順相LCモードとドーパントとしてトルエンを用い、APPI(大気圧光イオン化)検出によって最高の感度が得られたり、また、最近ではSmith等により、APPI-MS/MS検出による逆相LCモードで、PAHの感度を高めるのに、アリールベンゼンとメトキシベンゼンの混合物が有効なドーパントであることが実証されたりしている。本研究は、これらのドーパントをNPAH(ニトロ多環芳香族炭化水素)分析に適用し、逆相LC-DA-APPI-MS/MS用に最適化されたドーパントおよび溶離液組成を使用検討した。

Screening of organic pollutants in environmental water in urban areas of Japan.

Hasegawa, H, Nishino, T, Tojo, T, Matsumura, C, Miyawaki, T, Suzuki, S

Organohalogen Compounds, Vol. 80, 133-136 (2018)

 本研究では、日本の都市部(東京、大阪、兵庫、名古屋、福岡)の環境水試料を、LC/Q-TOF-MSを用いたスクリーニング法とノンターゲットスクリーニング法で同時に分析し、多くの化学物質を検出した。 スクリーニング分析では、都市部の水環境における農薬や医薬品を調査した。他の物質については、ノンターゲット分析において、スクリーニング分析で同定できなかったいくつかのピークを試みた。 各都市部における水環境分析の結果を報告する。

Benzotriazole UV Stabilizers in Water and Atmosphere Environment of Hyogo Prefecture, Japan

Yoshiki R, Yamasaki T, Yamamoto K, Haga Y, Nakagoshi A, Fujimori K, Matsumura C

Organohalogen Compounds, Vol. 80, 217-220 (2018)

 兵庫県内の河川及び大気中のBUVSs(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)の汚染実態調査を行った。河川水では、東播磨地域の法華山谷川水系4地点でUV-326のみが検出され、その濃度範囲は<1.3~2,800 ng/Lであった。河川底質では、31地点でBUVSsが検出され、総BUVSsの濃度範囲は1.2~1,600 ng/g-dryであり、特に法華山谷川水系及び神崎川水系で高濃度であることがわかった。BUVSsはオクタノール/水分配係数の値が高く、疎水性の強い物質であるため、水質より底質に蓄積しやすかったものと考えられる。大気中では、調査を行った全5地点で検出され、いずれの地点でもUV-326が最も高濃度で、次いでUV-328、UV-327が検出された。本研究の結果、水質、底質のみならず一般大気中にもBUVSsが存在することがはじめて確認された。

Spatial Distribution and Risk Assessment of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons (PAHs) in Sediments in Hyogo Prefecture, Japan

Haga Y, Yoshiki R, Matsumura C, Yamasaki T, Nakagoshi A, Fujimori K, Tojo T, Hasegawa H, Miyawaki T, Nishino T, Nakano T

Organohalogen Compounds, Vol. 80, 301-304 (2018)

 多環芳香族炭化水素類(PAHs)は、化石燃料の燃焼、石炭生産、石油の製造や流出、たばこの煙、調理などにより、非意図的に生成する。PAHsの中には、発がん性、変異原性や催奇形性などの異常作用を引き起こすものがある。本研究では、底質(湿泥)中のPAHsの一斉分析を行い、兵庫県内における河川底質15地点と海域底質1地点のPAHsの濃度分布を調査した。あわせて発生源解析とリスク評価を実施した。

Development of analytical methods for pesticides in ambient air: Comparison between target analysis and non-target analysis

Tojo, T, Ichihara, M, Asakawa, D, Kakutani, N, Miyamoto, I, Ueda, M, Matsumura, C, Hasegawa, H, Miyawaki, T, Nishino, T

Organohalogen Compounds, Vol. 80, 325-329 (2018)

 高分解能飛行時間型質量分析(GC−TOFMS)は、単一の実験で顕著な量の化学情報を得ることを可能にし、この技術を試料中に存在するノンターゲット化合物の調査や検索のためには非常に有効である。本研究では、GC-MS/MSを用いた大気中の農薬の分析方法の確立とGC-TOFMSを用いたノンターゲットスクリーニング法の利点と限界をGCMSMS法と比較して評価した。

ベンゾ[a]ピレン(対象媒体:底質)

羽賀 雄紀

化学物質と環境 平成29年度 化学物質分析法開発調査報告書, p352-383

 ベンゾ[a]ピレンは非意図的生成物であり、大気汚染防止法の有害大気汚染物質優先取組物質に指定されている化学物質である。また、代表的な有害化学物質である多環芳香族炭化水素類(PAHs)のひとつとして知られており、国際がん研究機関 (International Agency for Research on Cancer, IARC) の評価では評価ランク1「ヒトに対して発がん性を示す」であるとされている。底質中のベンゾ[a]ピレンについて、高速溶媒抽出法と認証値付き底質試料などを用いて、迅速かつ高感度な分析方法を開発することに成功した。

Metabolic enhancement of 2,3',4,4',5-pentachlorobiphenyl (CB118) using cytochrome P450 monooxygenase isolated from soil bacterium under the presence of perfluorocarboxylic acids (PFCAs) and the structural basis of its metabolism

Erika Goto, Yuki Haga, Makoto Kubo, Toshimasa Itoh, Chie Kasai, Osami Shoji, Keiko Yamamoto, Chisato Matsumura, Takeshi Nakano, Hideyuki Inui

Chemosphere 210 (2018) 376-383

 2,3',4,4',5-ペンタクロロビフェニル(CB118)は、PCB の中でも大気、水質、底質、生物から比較的高い濃度で検出されている異性体の一つである。また、シトクロムP450(P450)モノオキシゲナーゼである土壌細菌Bacillus megaterium由来のP450BM3は、長鎖脂肪酸の亜末端部位を水酸化する酵素であり、既知のP450の中で最も反応速度が高いと言われている。本研究では、近年汚染が顕著なペルフルオロアルキルカルボン酸が共存したときにPCB代謝活性が向上することを明らかにした。

大気環境科

瀬戸内海沿岸部において1時間毎に観測したPM2.5化学成分の解析

中坪良平, 堀江洋佑, 瀧本充輝, 松村千里, 平木隆年

エアロゾル研究 (2018)Vol. 33, No.3, p175-182

 瀬戸内海周辺のPM2.5高濃度化の原因解明に資する情報を得るため、兵庫県神戸市において2015年4月~2017年3月まで、ACSA-14により1時間単位でPM2.5成分濃度を測定した。PM2.5成分の日内変動の傾向を調べるとともに、先駆ガス状物質濃度や気象要素との比較検討を行った。1時間単位の成分測定データを得たことにより、日内変動やCPFプロットによる解析が可能となり、海陸風の影響など気象条件との関係を解析できるようになった。

特集のねらい<地球温暖化の現状と緩和・適応策の最新動向>

中坪良平

環境技術 (2018) Vol.47, No.7, Page.355

 特集「地球温暖化の現状と緩和・適応策の最新動向」について、特集のねらいと各論文の概要をまとめた。

第6次酸性雨全国調査報告書(平成28年度)

岩崎綾,久恒邦裕,堀江洋佑,西山亨,宮野高光,北岡宏道,木戸瑞佳,濱村研吾,三田村徳子,山口高志,横山新紀,佐藤由美,松本利恵,山添良太,家合浩明,仲井哲也,宇野克之,紺田明宏

全国環境研会誌 (2018) Vol.43, No.3, Page. 79-119

 全国環境研協議会による酸性雨全国調査は1991年度から始まり,現在2016年度から第6次調査を実施している。報告書は, 第6次調査の初年度どである2016年度に、全国の地方環境研究所49機関で行った,湿性沈着調査64地点,乾性沈着調査30地点の調査結果をとりまとめた。加えて,最近のアジア大陸から排出されるガスおよびPM2.5による大気汚染等の問題にも触れた。

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