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コウノトリ湿地ネットの取り組みについて~湿地づくりから生まれるつながり~

レポーター:北垣 和也

取材日:2015年8月10日(月)

活動場所:豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地

取材対象:コウノトリ湿地ネット

住 所:兵庫県豊岡市城崎町今津1362

 城崎温泉で知られる豊岡市城崎町。温泉街を出て円山川にかかる城崎大橋を渡ると、「豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地」がある。大陸から飛来し、この地に舞い降りた野生コウノトリ「ハチゴロウ」がきっかけで、この湿地が誕生した。管理棟からは、湿地の様子やそこに集まる水鳥たち、そして、運が良ければコウノトリを観察することが出来る。ここのコウノトリは、2008年から毎年繁殖をしており、初夏にはヒナの姿を見ることもできる。この湿地の管理運営をしているコウノトリ湿地ネットの代表・佐竹節夫氏から取り組みについて伺った。

 

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 主な活動は、湿地づくりやコウノトリの観察など。コウノトリは、湿地などの水辺で魚やカエルといった小動物を食べる。農業の効率化や河川改修などで、餌場となるような湿地の多くは失われた。湿地をつくり、生態系の頂点に立つコウノトリの餌場を増やすということは、様々な生きものの生息場所が増えるということでもある。また自然再生のノウハウを確立していくためでもある。湿地は人手が入らないと、やがて陸地化してしまう。維持作業には、ボランティアや研究者、地元の小学校・高校や、市内外の企業のCSR活動など、様々な人たちの参加がある。

 ここは日本海から近いので、潮が入って来る。背後には山があり、田んぼも隣接している。山・川・田んぼ・海と、様々な自然環境がつながっており、湿地だけで成り立っているのではない。保全活動を通じて人とのつながりも生まれる。河川管理者、漁師、農業者、それらの産物を購入する消費者等々。「自然をつなげることは地域をつなげること、人をつなげること。」と佐竹氏は言う。

 放鳥から10年が経ち、野生に返したコウノトリは日本全国のみならず、海を越え韓国へも飛んでいった。また、大陸から日本へ別のコウノトリが飛んできた。コウノトリは、東アジアの人々をつなぐ橋渡しとなるのかもしれない。


但馬 / レポート公開日:2015-08-31

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